「お気を付けて」に気を付けて

先週の雪が解けないうちに次の雪が降り、あたり一面真っ白です。
朝から途切れることなく一日ずっと雪が降り続くという状況に慣れないので、
どこにいるやらとても不思議な気分です。


今日のようなお天気のときに、見送りの場面等でよく使われる言葉に
「お足元にお気を付けください」があります。

こちらのブログでも以前取り上げたことがあります。
「雨の日の正しいお見送りの言葉は?」
自分で言うのも変ですが、今でも非常にアクセス数が多い記事の一つです。


実は今でも時々、医療機関の接遇研修のロールプレイングの中で、
「お気を付けてください」という言い方を耳にします。

ロープレの時間あるいは研修終了後等に、誤った表現であることをお伝えしていますが、
「正しいと思って、今までずっと使ってきました」
と、正直に話してくださる方がほとんどです。

ご高齢の方が席を立つとき、書類や検査キット等を持って移動していただくとき、
具合が悪くてつらそうなとき・・・。

言っている本人は、患者さんを思いやって、転ばないように、迷わないように、
「気を付けて帰って(行って)くださいね」と温かい言葉をかけたつもりのはず。

間違いと知った方は皆さん、ガッカリしたり恥ずかしくなったり、大きなショックを受け、
「明日から正しい言い方をします!」と気持ちを新たに言ってくださいます。

私自身、上記の違いを説明しながら、
敬語の使い方は本当に難しいとその度に感じています。


簡単にまとめてみます。
「気を付けてください」という言い方をさらに丁寧な敬語表現にすると
「お気を付けください」
「お気を付けになってください」
となります。


ここで、もう一つ気を付けたいのが、
「お気を付けて」
という言い方。

気持ちとしては「お気を付けてお帰り下さい」と言っているつもりで、
実際には『お帰りください』の部分を言葉にせず、飲み込んだ形(省略する形)です。

「お気を付けて」だけでは、
「お帰りください」の『お(ご)~ください』という尊敬表現を省いていますから、
相手に対する敬意が込められていない状態になってしまいます。


「お」がついているため、なんとなく丁寧な表現をしていると勘違いしやすいのでしょう。
普段から無意識で使い慣れてしまうと、自分で誤りだと気づくのは難しいものです。

たとえ、あふれるような笑顔と明るい声で「お気を付けて~♪」とお見送りしたとしても、
これでは、感謝の気持ちや思いやりの気持ちをあらわしたことにはならないのです。

相手が家族や友人であれば別かもしれませんが、
親しくしている間柄であっても、長いお付き合いであっても、
患者さんや目上の方に対して使うのは適切とは言えません。

今日もお足もとが悪い中、お越しくださいましてありがとうございます、
というおもてなしの心・感謝の気持ちをしっかり届けるためにも、
是非正しい使い方を覚えて、積極的に使うことで身体に覚え込ませましょう。


思いは、言葉にして初めて相手に伝わります。

どんな状況であっても、相手に対する感謝の気持ちを「言葉にして伝える」ことだけは
忘れずにいたいと思います。


今日も日本の広い地域で雨や雪となり、交通機関に乱れも出ています。
ありきたりですが、皆さんくれぐれもお気を付けて、温かくしてお帰り下さいね。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
新しい気付きがたくさんありますように。
[PR]
by smile_garden | 2014-02-14 16:23 | 接遇マナー | Comments(0)
<< 挨拶から始めよう ソチ冬季五輪開幕 >>