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患者さんの立場で考える

気付けば7月も残り数日。子どもさん達は楽しい夏休みですね。
我が家では、春先の植替えをさぼったにもかかわらず、スイレンが大盛況。
毎日どこかの鉢で咲いていて、いろいろな鉢で8個も同時に咲いた日もあり、
暑い中にも楽しみがいっぱいの毎日です。


少し前になりますが、母の付き添いで
久しぶりにクリニック&調剤薬局に行きました。

両親も私も、普段医療機関のお世話になることがないため、
仕事以外で医療機関を訪れることはほとんどありません。

ですが、母が珍しく受診すると言うので
暑い日のことでもあり、念のため付き添うことにしました。


薬局を訪れると、母の前に一人患者さんがいて、
母の処方は、ヒート包装の薬1種と塗り薬1種。
調剤室には薬剤師が4名。

以前にもかかっていて、おくすり手帳も持参しており、
長くても15分待ち、と予想したのですが、見事に大外れ。
40分近く待った挙句に「お待たせしました」のひと言もありませんでした。


調剤室の動きを見ながら、いろいろ感じるところがありましたが、
一つだけ確信を持てたのは、
長く患者さんを待たせていることへの自覚がないようだということ。

薬局に限ったことではありませんが、
医療者は、たとえば患者さんが自分の勤める医療機関を訪れてくれることを
当たり前のことと思っているケースが多いように感じます。

患者さんをお待たせすることを当たり前と思ってしまうと、
決して「お待たせして申し訳ない」とは思わないでしょう。
思わなければ「お待たせしました」という言葉は出てきません。

自分本位で考えるのでなく、患者さんの立場で考える。
患者さんの気持ちを思いやって行動する。
そんな姿勢が大切です。


この日、当の母はといえば、別段怒るわけでもイライラするわけでもなく、
「今日は長くかかるね」と何度か口にしつつ、じっと待っていました。

高齢の患者さんには、母のような人が多いと予想できます。
少しの不安や不満があっても、口にしない患者さん。
文句を言うと嫌われてしまうのでは?と遠慮する患者さん。

口にしないだけで、実はみんな同じように思っているのかもしれません。
クレームがないからといって、みんなが満足しているとは限らないのです。


先週末の研修先でお世話になった医師は、
「患者さんが入ってきた時より笑顔になって帰ってもらえるように、毎日努力している」
と話してくださいました。

相手の予想を上回る価値を提供する。
そこに感動が生まれ、患者さんの安心や満足が高まります。

K医師のような、患者さんに寄り添う気持ちを持つ医療者が
もっともっと増えてほしいと心から願っています。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
新しい気付きがたくさんありますように。


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by smile_garden | 2017-07-26 16:31 | 接遇マナー
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