カテゴリ:接遇マナー( 28 )

簡単な敬語のレッスン~テロップで学ぶ言葉遣い

はや9月も半ば。大型の台風18号の動きが気になります。
両親の畑では、クリの収穫が最盛期。
数年前に植えたポロタンという栗が、ようやくたくさん採れるようになりました。
渋皮までぽろっと皮がむけるポロタン、手間要らずの上に美味しいです。


先日、テレビのニュースを見ていたときのこと。

インタビューを受けた人が
「もうちょい○○したかった」というように話していましたが、
テロップでは「もうちょっと」に変わっていました。

多くのテレビ画面で、話し言葉が文字で表示されていますが、
誰にでもわかる丁寧な言葉に置き換えられていることに気付きます。


テロップについては、全てが話し言葉の通りに表示されるのではないからこそ
表示される文字に注意を向けると、新しい発見もあります。

適切な言葉や言い回しに変えてテロップが出ることも度々で、
「~いただく」が「~もらう」に直されていたり、
「ら」抜き言葉や「さ」入れ言葉などが直されているケースもあります。

敬語表現を始めとして、さまざまな表現が適切な言葉に置き換えて表示されるので
テレビを見て楽しみながら、言葉遣いの勉強にもなるのです。


コミュニケーション力を高めるためには、
話す力と聞く力の両方が必要です。

そして、話す力については、
言いたいことをわかりやすい表現で話すことと、
相手が聞き取りやすい話し方をすることが大切です。

普段何気なく見ているテレビですが、
そこに映し出されるテロップに、ほんのちょっと意識をむけるだけで
気軽にわかりやすい言葉遣いを学ぶことができます。

敬語や言葉遣いが苦手だと思う人は、是非試してみてくださいね!


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
素敵な笑顔にたくさん出会えますように。


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by smile_garden | 2017-09-16 12:03 | 接遇マナー | Comments(0)

敬意はある?ない?? 職場で「了解」を使っていませんか?

台風15号が去り、9月の声とともに本格的な秋を感じるこの頃。
朝晩の気温も一気に下がって、暑い・寝苦しいなどと感じていた先週のことが嘘のよう。
こんなに急激に季節ががらりと変わって、とても驚いています。
衣替えはまだ先と思っていましたが、少し早めた方がよさそうです。


前回、前々回と大名言葉と言われる言葉について書きました。

今回は、「ご苦労様」や「なるほど」と同じように、
医療の現場でもよく使われている「了解」について書いてみます。


研修先の医療機関で施設内をご案内いただいたり、
現場調査のために施設内を歩いている時、
「了解!」「了解です」「了解しました」
などの言葉が聞こえてくることがあります。

多くはスタッフ同士の会話ですが、
この「了解」も大名言葉、
すなわち目上の人が目下の人に使う言葉と言われていますから
注意が必要です。


「了解」という言葉は、
漢字の並びからしてなんとなく敬語のように感じる人もいるかもしれませんが、
敬語表現ではありません。

ビジネスマナーでは、「了解」の代わりとして、
「承りました」「承知しました」「承知いたしました」「かしこまりました」
を使います。

これらの言葉は、慣れないととっさに出てこなかったり、言いにくい言葉でもあるので
日頃から意識して使って、緊張せずに言えるよう慣れておくといいでしょう。


例えば、
上司から「○○をお願いします」と仕事を頼まれた時、
同僚から「明日の会議、○時に集合です」と予定を確認された時、
部下から「○○終わりました」と業務報告を受けた時。

あなたはどのような返事をしていますか。

もし「了解です」「了解!」というように答えている場合は
「了解」という返事が習慣になっている可能性がありそうです。


同等の立場の人や目下の人に対して使う場合は問題ないのですが、
私の研修では、できるだけそれも控えるようにお伝えしています。

医療機関では、患者さんやご家族のほか、
出入りの業者さんなど大勢の人々が行き来しており、
スタッフ間の会話が外部の人の耳に届くことも十分考えられるためです。


例えば、内線電話。

スタッフ同士が会話して、「了解です」と言う分には問題ないのですが、
それを通りがかりに聞いた患者さんなど外部の人は
電話の相手が誰だか分かりません。

偶然聞こえてきたスタッフの「了解です」を
ぶっきらぼうで乱暴だと感じる人もいるかもしれないのです。

会話の相手のことだけでなく、周囲にまで気を配る。
気にしない人のことではなく、気にする人がいるかもしれないことを意識に留めて
行動することが大切だと思います。


なお、「了解!」ではなく、「了解です」「了解しました」であれば
敬語になっていると思う方もいるかもしれませんが、これも当たりません。

「です」「しました」をつけることで、確かに敬語表現(丁寧語)にはなっていますが、
「了解」には敬意が含まれないため、目上の人には適さないとされています。


また、代わりの言葉として「わかりました」を思い浮かべる人もいるでしょうが、
細かいことを言えば、この言葉も要注意。

「かしこまりました」「承知しました」と言えば
『理解して受ける』『(相手の依頼を)承る』というような意味になりますが、
一方の「わかりました」は「理解しました」の意味です。

こんな人は実際にはいないと思いますが、
「あなたの話しはわかった(けれど、私は受けていません)」
という意味に取ることもできるのです。


前回も書きましたが、
この人なら使ってもいい、この人には使ってはダメ、と考えながら言葉を選ぶより、
普段から敬意をあらわす代わりの言葉を使う習慣をつけていれば、
悩むことも迷うこともないように思います。

状況や相手次第ではありますが、上司や患者さんはもちろんのこと、
重要な仕事を頼まれた時や大切な取引先やお客さまなどには、
「承知しました」「承りました」「かしこまりました」と言えるようになりたいものです。


医療者は、患者さんの命を預かっています。

ささいな感情の行き違いが思わぬところでミスを呼び、
命に関わる重大なエラーにつながらないとも限りません。

何気なく使っている言葉が無意識のうちに相手を不愉快にさせているとしたら、
どんなに小さなことであっても、相手を不信に思わせているとしたら、
信頼関係を築くどころか、信頼関係を壊してしまうことにもなりかねず、
それはとても残念なことです。

気付いた時がチャンスです。
自分がよく使っている言葉を振り返り、
心当たりがあれば、是非、意識を向けてみてください。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
新しい学びがたくさんありますように。


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by smile_garden | 2017-09-04 15:09 | 接遇マナー | Comments(0)

その「なるほど」は大丈夫?上から目線の相づちに注意

9月を目前に控え、いつしか朝夕に秋の気配を感じるこの頃です。
両親の畑では、ブルーベリーの収穫も終わりが近づいてきて、
入れ替わりに、いちじくが採れ始めました。
食べることばかりに興味がいきますが、今から秋の味覚が楽しみです。


前回、「ご苦労様」「お世話様」について書きました。

これらの言葉は大名言葉なので、
相手の立場や感じ方によって、不愉快な思いをさせる可能性があります。


大名言葉とは、目上の人が目下の人に使う言葉のこと。
言い換えれば「上から目線の言葉」です。

大名言葉には、上記以外にも気をつけたい言葉がいくつかあります。

その筆頭が「なるほど」です。


相手の話を聞きながら、
「なるほど」「なるほど~!」と相づちを打つ人がいます。

「なるほど」と言われて、何も気にしない人ももちろん大勢いると思いますが、
中には気分を悪くする人もいます。

それは、「なるほど」が目上の人が目下の人に使う言葉だとされているからです。

大名言葉=「上から目線の言葉」であるがゆえに、
人によっては「見下されたように」感じて、不愉快な思いをすることがある、
ということです。


相づちに「なるほど」と言うのがクセになっている人は、
実際のところ、少なくないように感じます。

「なるほど」と相づちを打つことで、
話しを盛り上げたり、相手の話に感心したり、
納得している様子を伝えたりしている人もいると思います。

「なるほど」という言葉自体は、敬意こそありませんが、
使う相手を考慮すれば、相づちとしては間違いではありません。

しかし、言っている本人の意図しないところで
「なんと失礼な」と思われてしまう可能性もあることを考えれば、
同等の立場の人や、目下の人に対する場合以外は、
「なるほど」は控えて、他の相づちを使うのが無難でしょう。


「では、ほかのどんな言葉を使えばいいの?」
とのご質問もいただきます。

たとえば、
「おっしゃる通りです」「私もそのように感じます」「確かにそうですね」「そうだったんですね」
など。

より丁寧な言い方としては
「おおせのとおりです」「さようでございますか」
でもいいでしょう。

話しの流れによっては、
「そうですか、いいお話を伺いました」「気づきませんでした」「それは知りませんでした」
等も使えそうです。

同じ言葉を繰り返すのではなく、
いろいろなバリエーションを身につけておき、
状況にあわせて使いこなせるようになると安心です。


余談ですが、「なるほどですね」は日本語として適切ではありません。

「ですね」をつけて丁寧な言い方にしているつもりなのかもしれませんが、
かえって相手に失礼になりますから、こちらも十分気をつけましょう。

同じような意味あいの相づち言葉として「ホントですか」を多用する人がいますが、
相手をバカにしたようなニュアンスに感じられることもあり、
こちらもお勧めできません。

「マジですか」をビジネスで使わないことについては説明不要ですね。


研修中、上のような説明を聞いた先から
「なるほど!」と大きく相づちを打つ方がいます。

自分でも「あ!」と気付いて、失笑されますが、
明らかに口癖になっている証拠です。


恥ずかしながら、かつての私も「なるほど」をよく使っていました。

意識して使わないようにしましたが、
慣れるまでは、つい口に出てしまうこともありました。

私の場合は、相手の立場によって使い分けるのは難しいと考え、
相手が誰であっても「なるほど」という相づちを使わないように気をつけました。

意識し続けるうちに、ほとんど使わなくなり、
今では意識することもなくなりました。

長年使ってきた言葉のクセを直すのは簡単ではありませんが、
その気になれば、諦めずに意識していけば、必ず直すことができます。


ビジネスマナーは、自身の器量を映し出すコミュニケーションスキルでもあります。

たかが言葉一つでも、信頼関係に影響を及ぼす可能性があるとすれば、
できること、気付いたことから、正しいマナーを身につけたいですね。

医療の現場や医療者間で使われている大名言葉について、
次回も続けたいと思います。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
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by smile_garden | 2017-08-30 17:55 | 接遇マナー | Comments(0)

「ご苦労様」「お世話様」が相手を不愉快にする?

夏の暑さを感じ始めた頃から、朝5時前に起きて早朝ウォークに出かけています。
この頃、雲っている日は5時でも薄暗く、日が短くなってきたことを感じます。
昨日は久しぶりに朝から快晴で、朝焼けで空が赤く染まっていてとても綺麗でした。
暑すぎるのは困りますが、夏らしく朝からすっきりと青空が広がると嬉しい気持ちになります。


最近の医療接遇研修で、複数の方から立て続けに同じような質問をいただきました。
その質問とは、「ご苦労様」にまつわるもの。

「職場で『ご苦労様』と言っているスタッフがいるけれど、よくないですよね?」
というものから、
「『ご苦労様』がよくないのは知っているけれど、『お世話様』は大丈夫?」
というものまで、様々です。

実際、研修先の医療現場で「ご苦労様」と声をかけている場面をみかけることがあります。
医療現場の接遇マナーはまだまだ改善の余地あり、と感じる瞬間です。


ねぎらいの言葉をかけるときは、
「お疲れ様です」「お疲れ様でした」が適切です。

「ご苦労様」は目上の人が目下の人に使う言葉、
いわゆる「大名言葉」ですから、注意が必要です。


「お疲れ様」は、肩書きや身分、年齢や性別を考えずに誰にでも使える言葉です。

目下の人が目上の人に対して使うのはもちろんですが、同僚間でもOKです。
また、上司から部下に対しても、
「お疲れ様です」と声をかけることで謙虚さも伝わりますから、
風通しのよい職場づくりにつながる言葉だと言えるでしょう。


「ご苦労様」がダメなら「お世話様」でいいのでは?
というように考える人もいるようです。

「お世話様」も「ご苦労様」と同様に大名言葉なので、
目上の人に対しては使わないのがマナーです。

目上の人に限らず、出入りの業者さん等外部の方にも、感謝の気持ちを込めて、
「お世話になっております」「お世話になりました」と言うのがベストでしょう。


いずれも「~様」という似たような言い回しの言葉ですから、
違いがわかりにくいと感じるのも事実。

もともとは、いずれの言葉も上下関係にかかわらず使っていたようです。
時代とともに、使い方・使われ方が変化して、
「ご苦労様」「お世話様」は同等の立場か目下の人に対して使う言葉、
「お疲れ様」は上下関係なく誰に使っても失礼のない言葉、
という考え方に変わってきたようです。

ピンとこない人もいるかもしれませんが、
「ご苦労様」も「お世話様」も上から目線の言葉だと覚えて、
日頃から「お疲れ様です」「お疲れ様でした」を使う習慣をつけたいですね。


上から目線の言葉だと知らない人は、「お疲れ様」と同じような言葉として
相手を考えず、気軽に「ご苦労様」を使っていると思われます。

人によって、これらの違いを気にする人もいれば、全く気にしない人もいます。

大名言葉だと知っている人の中には、
目下の人や部下から「ご苦労様」「お世話様」と言われて
不愉快に感じる人もいるはずです。

患者さんも同じこと。
診察や検査後、医療者から「ご苦労様でした」と言われて、
「なんで病院のスタッフに見下されるようなことを言われなくてはならないの?」
と思う人もいるかもしれません。

社会や職場は、人と人が助け合い寄り添いあうことで成り立っています。
せっかくねぎらいの声をかけるなら、お互いが気持ちよくすごせる言葉を使いたいですね。


ことの言われや言葉の意味を知っていても知らなくても、
相手を気遣って言葉を選ぶという行為そのものが
快適な人間関係や職場環境を作る基本になると思います。

相手の気持ちを想像して言葉を選ぶ。
それこそが、大切な思いやり、おもてなしです。


今回ご紹介した言葉意外にも、
医療現場でよく使われている大名言葉がいくつかあります。
次回は、そちらをご紹介したいと思います。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
新しい気付きがたくさんありますように。


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by smile_garden | 2017-08-26 14:45 | 接遇マナー | Comments(0)

言葉遣いにもバランスが大事

台風5号による被害に遭われた皆さんへ、心よりお見舞い申し上げます。
梅雨が明けてから雨降りが多く、梅雨が戻ってきたような気がします。
猛暑や大雨などの異常気象は日本だけでなく外国でもあるようですが、
立秋も過ぎたことですし、過ごしやすい落ち着いた気候になってほしいです。


先日、仕事帰りに立ち寄った雑貨やさんでのこと。

お客さんが店員さんに何か尋ねているところに居合わせました。
店員さんの応対ぶりは、全般にとても感じがよかったです。

自然な笑顔で、応対の姿勢や態度もとてもきちんとしていて、
ちょうどいい声の大きさに、話し方も丁寧で安心感がありました。


ですが、一つだけ、ほんの少し気になったことがありました。

会話の後、店員さんは「ちょっとお待ちいただけませんでしょうか」と言って
お店の奥へ行ったのです。

それまで、言葉遣いもバッチリだったのですが、
普段使いの「ちょっと」という言葉が入ってきて
せっかくの丁寧な言葉遣いが、瞬時に普通の話し方に変わってしまった気がしました。


「ちょっとお待ちいただけませんでしょうか」
という言葉が、特別間違っている訳ではありません。

でも、私はもったいないなぁと思いました。

「ちょっと」の代わりに「少々」あるいは「もう少々」と言えば
次に続く「お待ちいただけませんでしょうか」とバランスがとれます。


「ちょっと」は普通の話し言葉ですから、
そこに続くのは、たとえば「お待ちください」の方が馴染みがあります。

「お待ちいただけませんでしょうか」という表現は
否定形の依頼文を使った、かなり丁寧なお願いの言葉です。

そこにぴったりくるのは
「少々」「もう少々」という丁寧な言葉だと思うのです。

今回、通りすがりに聞こえてきたなんでもない会話でしたが、
言葉遣いにもバランスが必要なんだと感じました。


挨拶や声掛けの言葉は、相手によって使い分けることが大切です。

そして、相手に合わせて言葉を使い分けるとき、
会話の最初から最後まで、同じ口調や敬語でまとめることで
相手への敬意や感謝の気持ちがしっかり伝わるのですね。

たとえば、最初は丁寧でかしこまっていても、
話すにつれて友達言葉を交えるようになり、
最後はなれなれしい話し方で終わる、というのでは、
相手が抱く印象は、あまりいいものにはならないでしょう。


接遇とは、相手に対して心を込めて応対すること。
そして、心のあらわし方や伝え方は人それぞれです。

どんな人に対しても、どんな状況でも
相手に合わせて自在に話し方や言葉遣いを操れるようになることが
接遇には欠かせないことだと感じた出来事でした。


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by smile_garden | 2017-08-10 17:34 | 接遇マナー | Comments(0)

患者さんの立場で考える

気付けば7月も残り数日。子どもさん達は楽しい夏休みですね。
我が家では、春先の植替えをさぼったにもかかわらず、スイレンが大盛況。
毎日どこかの鉢で咲いていて、いろいろな鉢で8個も同時に咲いた日もあり、
暑い中にも楽しみがいっぱいの毎日です。


少し前になりますが、母の付き添いで
久しぶりにクリニック&調剤薬局に行きました。

両親も私も、普段医療機関のお世話になることがないため、
仕事以外で医療機関を訪れることはほとんどありません。

ですが、母が珍しく受診すると言うので
暑い日のことでもあり、念のため付き添うことにしました。


薬局を訪れると、母の前に一人患者さんがいて、
母の処方は、ヒート包装の薬1種と塗り薬1種。
調剤室には薬剤師が4名。

以前にもかかっていて、おくすり手帳も持参しており、
長くても15分待ち、と予想したのですが、見事に大外れ。
40分近く待った挙句に「お待たせしました」のひと言もありませんでした。


調剤室の動きを見ながら、いろいろ感じるところがありましたが、
一つだけ確信を持てたのは、
長く患者さんを待たせていることへの自覚がないようだということ。

薬局に限ったことではありませんが、
医療者は、たとえば患者さんが自分の勤める医療機関を訪れてくれることを
当たり前のことと思っているケースが多いように感じます。

患者さんをお待たせすることを当たり前と思ってしまうと、
決して「お待たせして申し訳ない」とは思わないでしょう。
思わなければ「お待たせしました」という言葉は出てきません。

自分本位で考えるのでなく、患者さんの立場で考える。
患者さんの気持ちを思いやって行動する。
そんな姿勢が大切です。


この日、当の母はといえば、別段怒るわけでもイライラするわけでもなく、
「今日は長くかかるね」と何度か口にしつつ、じっと待っていました。

高齢の患者さんには、母のような人が多いと予想できます。
少しの不安や不満があっても、口にしない患者さん。
文句を言うと嫌われてしまうのでは?と遠慮する患者さん。

口にしないだけで、実はみんな同じように思っているのかもしれません。
クレームがないからといって、みんなが満足しているとは限らないのです。


先週末の研修先でお世話になった医師は、
「患者さんが入ってきた時より笑顔になって帰ってもらえるように、毎日努力している」
と話してくださいました。

相手の予想を上回る価値を提供する。
そこに感動が生まれ、患者さんの安心や満足が高まります。

K医師のような、患者さんに寄り添う気持ちを持つ医療者が
もっともっと増えてほしいと心から願っています。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
新しい気付きがたくさんありますように。


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by smile_garden | 2017-07-26 16:31 | 接遇マナー | Comments(0)

白湯を頼んだら・・・

今朝、今年最初のバラが咲きました。
白い花を楽しませてくれたコブシはいつしか葉っぱが茂って緑いっぱいになり、
ソメイヨシノも葉桜になり、いよいよ新緑の季節です。
新芽に日が差してキラキラ輝く様子にワクワクの毎日です。


先日、久しぶりに母と買い物に出かけました。
帰り道に立ち寄った喫茶店での出来事。

昼食後だったのですが、薬を飲むのを忘れていた母のために白湯を頼みました。
呼び出しボタンを押すと、すぐに「研修」と書かれた名札をつけた女性がやってきました。

「薬を飲みたいので、白湯をいただけませんか」と私が言うと、
「かしこまりました」とにっこり微笑んで引き返しました。

少しして、その彼女が何も持たずに戻ってきました。
私の目をしっかり見て、
「白湯はご用意できるのですが、熱々でお持ちして大丈夫ですか。
お薬を飲むとおっしゃったので、少しぬるめがいいかなと思ったのですが。
どんな温度でも調整はできます。どうしましょうか」
と尋ねるのです。

驚きました。
母も「そこまで気をつかってくれて・・・」と嬉しいやら恐縮するやら。
「熱々で」とお願いすると、まもなく熱々のお湯を持ってきてくれました。


細やかな対応がとても嬉しかったので会計時にお礼を伝えよう、と思っていたら、
レジにいたのが、ちょうどその彼女でした。

「さっきは白湯をありがとう。細かいところまで気をつかってくれて嬉しかったです」
と伝えたところ、ニコニコ笑顔でさらに気遣いの言葉が続きました。

「いえいえ、何でもないことです。
ただ、お湯の温度だけじゃなくて、薬の量はどれくらいあるのか、
錠剤なのか粉薬なのかも聞けばよかったかなぁと思っていて。
薬がたくさんあるなら、お湯の量もたくさんいるし、粉薬なら、もっと欲しいかも、って。
すぐに飲むなら、熱々だと飲めないし、
でも、あんまり聞きすぎても失礼かと思って
とりあえず温度だけ聞いたのですが、大丈夫でしたか?」


研修中にもかかわらず、
「薬を飲みたいから白湯をください」というひと言から
これだけのことを想像して、それを行動に移してくれました。
剤形や量まで考えてくれるなんて、まさに想定外です。

初めて入るお店だったのですが、自宅からは少し離れています。
この彼女のもてなしにすっかり感動してしまって、会計後「また来るね」と言っていました。
後で聞くと、母も同じことを思ったそうです。


4月も半ばになり、新人の皆さんは
新しい環境にもだいぶ慣れてきた頃だと思います。

新人が最初に任されるのは、おそらく単純作業が多いはずですが、
単純作業にも必ず目的があり、頼まれるまでの背景もあります。

単純な内容であっても、そこに至る経緯や目的を考えて工夫を凝らし、提案し、実行する。

指示した以上の仕事をやってもらえると上司も嬉しいものです。
それがたとえ見当はずれの内容だったとしても
自主的に考え工夫して、真剣に仕事に向き合う姿勢は伝わりますから、
上司も「また頼もう」と思うでしょう。


ちょうど新人研修のさなかのことでもあり、
研修中という店員さんの対応に、大きな気付きと感動がありました。

頼んでいないことまで見越して、相手を思って行動してくれると
そこに感動が生まれます。
これが接遇の心、思いやりのあらわし方なんだと改めて学びました。


どうすれば相手が喜ぶか、相手の要望に応えられるか、
ありとあらゆるイメージを総動員して、それを行動に移す。

簡単なようで、かなり難しいことだと思います。
でも、相手を思う気持ちがあれば、少しずつ意識し訓練することで
自然とイメージが浮かぶようになるでしょう。

小さなことの積み重ねが経験になり実績になります。
経験は判断力を高め、そして必ず次の仕事のときに役立ちます。

新人の皆さん、目の前の仕事にがむしゃらに真剣に向き合って
小さなことからでいいので、成果を出し続けてくださいね。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
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by smile_garden | 2017-04-15 09:37 | 接遇マナー | Comments(0)

心を開く「笑顔の効果」

ドウダンツツジの真っ赤な紅葉が大好きなので、今年は長く見られて嬉しいです。
12月に入った今も日ごとに赤が濃くなり見ごたえがあります。
冷え込みもだいぶ厳しくなってきた朝、庭のメダカ達の姿が見えない日も出てきました。
寒さ対策に入れた枯葉のお布団を気に入ってくれたようで、ホッとしています。


先月のクレーム研修で、とてもいいお話を伺いました。

研修後、医師のK先生がご自身のお話として、
「患者さんに注意指導をする必要があるときは『笑顔で怒る』ようにしている」
とご紹介くださいました。

「怒りがわかる怖い表情で注意すると、言うことを聞いてくれないことがあるけれど、
笑顔で怒ると、患者さんがちゃんと話を聞いて実践してくれる」
とのこと。

とても興味深いお話で、コミュニケーションのコツここにあり、と感激しました。
K先生、素晴らしいお話をありがとうございました。


笑顔が大切というお話は、私も研修の中で必ずといっていいほどお伝えします。
笑顔には、好意や安心、リラックス、信頼等々の効果がありますが、
医療者にはさらに大切な、医療サービスに欠かせない効果があります。

医療者の笑顔は、患者さんの緊張をほぐしたり、不安を和らげる効果を持っています。
笑顔で勇気や励ましを伝えることも出来ます。
また、医療者が笑顔で接することにより、患者さんは「自信」を感じとります。
「自信を持って対応してくれている」=「笑顔」ということですね。


K先生のお話からは、上記以外の別の効果も伺えます。

たとえば、患者さんに言いにくいことを言わなければならないとき。
注意指導する必要があるとき。

怒った顔や怖い顔をして、口調も怒ったような厳しい話し方をすると、
患者さんはその表情なり口調に反応して心を閉ざしてしまう可能性が高くなります。

しかし、どんなに厳しい内容であっても、笑顔や微笑みを浮かべて表情がやさしくにこやかで
なおかつ話し口調も明るく穏やかであれば、
注意を受けたり、怒られているにもかかわらず、
自分への愛情や信頼を感じることが出来るのです。

言われた側は内心、それは難しい、そんなこと無理、と思ったとしても、笑顔で言われたら、
「親身になってアドバイスしてくれているんだから、言われた通りやってみよう」
「難しそうだけど頑張ってみよう」と思えるような気がします。

心を開いていなければ笑顔になれませんが、その笑顔が相手の心も開くのですね。


私は「笑顔は最強の医療スキル」だと信じています。

世の中の全ての医療者が、笑顔という最強のスキルで
患者さんの気持ちを120%受けとめることが出来れば
治療効果が高まるのはもちろんのこと、
クレームという事象も限りなくゼロに近づけることが可能になると思っています。


とはいえ、心に余裕が無いと、素直な笑顔にはなれません。

目が回るような忙しさが続く医療者だからこそ、
患者さんのために、同僚のために、そして自分自身のために、
いつでもやさしい笑顔があふれ出るよう心に余裕を持つ努力が大切です。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
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by smile_garden | 2015-12-04 17:23 | 接遇マナー | Comments(0)

自信があってもなくても、笑顔でおもてなし

早いもので、今年も残すところ50日を切りました。
街中はイルミネーションで彩られ、花屋さんの店先にはシクラメンがずらりと並んでいます。
今年こそは、年末の大掃除で慌てないように、少しずつ片づけを始めようと思っています。


先月、ある地方都市に出かけた際、どの電車に乗ればいいのか分からなくなり
そばにいた若い駅員さんに尋ねました。

私が行き先を伝えると、
「では調べますね」と胸ポケットから時刻表のようなものを取り出して素早くチェックし
「○時発の電車が少し早く着きます。△番線です」
と答えた後、私を見てニコッと微笑みました。

その笑顔は、はじけるような微笑みでありつつ、とても自然で、
「お疲れさまです」や「気を付けてお帰りください」の他に、
「電車に乗ってくれてありがとう」「問い掛けてくれてありがとう」
と伝えているようでもありました。

仕事帰り、駅員さんの最後の「ニコッ」に疲れが吹き飛ぶような気持ちになった私。
素敵なおもてなしに、こちらも思わず笑顔になってお礼を伝え、
とても嬉しい気分で、足取りも軽く電車に乗り込みました。


話変わって、先日の接遇研修でのこと。
研修レポートに
「自信がないと、声が小さくなったり笑顔が作れなくなってしまいます」
と書いてくださった方がいらっしゃいました。

まさにその通り。
笑顔は、好意や信頼、安心やリラックス、
そして警戒を解いたり、緊張をほぐしたりする効果を持っていますが、
もう一つ大事な効果があります。
それが「自信をあらわす」効果です。


特に、仕事をしているときの笑顔は、自信の有無と大きく関係します。
自信があれば堂々と笑顔で対応できますが、
自信がないときは、失敗を恐れたり、どうしていいか分からない不安から
笑顔が作れなかったり、たとえ作り笑顔ができても、不自然さが漂うことでしょう。

そうはいっても、初めての仕事であったり、まだ慣れていない状況では
自信がなくとも対応しなければならない場面もあります。

笑顔が自信をあらわすのはもちろんですが、
おもてなしの場面では、たとえ自信がなくとも、まずは笑顔ありき、です。

誰だって、初めて何かに取り組むときは、自信がなくて、ドキドキ緊張するものです。
それでも、笑顔を作って相手のためを思って一生懸命向き合えば、
その真っ直ぐな思いやりの気持ちは相手に伝わります。

言い換えれば、自信がなくても笑顔で対応することが、相手へのおもてなしなのですね。
そして、この繰り返しによって、自信は後から付いてくる、のです。


あの若い駅員さんも、きっと色々な経験を積んで、あの笑顔を習得されたのでしょう。
相手に心地よいと感じてもらうために、相手に喜んでもらうために、何をすればいいか、
その答えの一つが笑顔だったのかもしれません。

笑顔は計り知れない効果を持っています。
言葉では伝え切れない思いも、笑顔一つで伝えられるのです。

笑顔の効果がもっともっとたくさんの人に伝わり、
あなたの周囲の人々が今よりもっとHAPPYになれるといいですね。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
素敵な笑顔にたくさん出会えますように。
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by smile_garden | 2015-11-13 15:31 | 接遇マナー | Comments(0)

慣れるまで、意識して行動し続けること

ドウダンツツジの紅葉が日ごとに進み、真っ赤に染まった姿を見かけると嬉しくなります。
真っ赤といえば、この2週間ほどは毎日のように赤く染まる夕焼け空を見ながら
研修会場に入ることができ、これもまた嬉しい時間でした。
日が短くなり、イルミネーションが似合う季節になったことを実感するこの頃です。


春以降、出張の際にいただく行程表や、アクセスチェックの折、
新しい列車の名前を見つけるたびに、早く乗りたい、乗ってみたいと思います。

それは、北陸新幹線の名前。
「かがやき」「つるぎ」といった名前を見るだけで、北陸を身近に感じてワクワクするのです。

ところが、「はくたか」は、新潟方面に出かけるたびに乗車した特急と同じ名称のため、
あれ?と一瞬不思議な気持ちになります。

すぐに、ああそうだった、北陸新幹線の「はくたか」だ、と気付くのですが、
従来の特急「はくたか」のイメージが強く、馴染むまで時間がかかりそうです。


新しいことに馴染むまで時間がかかるのは、仕事でも同じこと。
特に、長年続けてきた習慣を変えるとなれば、
考えるより先に身体が反応してしまいますから、大変です。

そういうときは、慣れるまでの1週間なり10日なり、もしくは1ヶ月かかるかもしれませんが、
意識して行動を続ける必要があります。

忘れずにしっかり意識して行動し続けるうちに、身体に自然に馴染んで、
意識せずに行動できるようになるのです。


先月末、研修でお世話になったクリニックを昨日再び訪れました。
自動ドアが開くなり、こんにちは、の明るい声と笑顔が出迎えてくれました。
1週間前とは全く違う、温かい空気に包まれた、そんな気持ちになりました。

研修までの待ち時間にも、すれ違うスタッフが皆さん優しい笑顔で挨拶してくださいます。
後で聞いてみると、先の研修後、挨拶に力を入れている、とのこと。

患者さんへのお声がけもとてもスムーズに自然にできていて、
そのお声がけに患者さんも自然に笑顔で答えています。
そばにいるこちらまで嬉しくなりました。


新しい習慣を身体が覚えるまでは、多少無理してでも意識し続けることが大切です。
最初は難しいと感じても、いざやってみると実は簡単にできることもあります。

また来週、今度はどんな変化が待っているでしょう。
スタッフの皆さんにお目にかかるのが、今から楽しみです。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝を込めて、
新しい気付きがたくさんありますように。
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by smile_garden | 2015-11-06 20:10 | 接遇マナー | Comments(0)