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言葉と生命力

多くの社会人の皆さんの夏休みが終わり、再び街に人が戻ってきましたね。
私の夏休みは、毎日の畑通いと貯めまくったデータ整理であっけなく終わりましたが(笑)
それぞれに、新しい気付きと収穫があり、有意義な時間を過ごせました。

そして本日、休み明けの私に、一気にいろんな情報が入ってきました。
いつものお仕事の連絡から、久しぶり~の懐かしい国内外の親戚からの連絡まで、
本当に嬉しい一日でした。


その中の一つ、全く私的な話を。

随分前から、寝たきりになってしまった親戚がいます。
事故に遭って身体が不自由になるまで、それはもう明るくて楽しくて
一緒にいて退屈しない、大好きな人でした。
しかし、自分では身動きがとれなくなり、そのうち会話もできなくなり、
いつしか反応もなくなり、本当にただ寝たきりになっていました。
その親戚が、椅子に座り、会話もできるようになっている、というのです。
その生命力と精神力の強さを思い、胸が熱くなりました。


周囲の人々の気持ちなどいろんなことに思いを馳せましたが、
一つ思いついたことは、言葉の不思議です。

何年も話すことをしなかった人が、ある時を境にして、何かをきっかけにして、
突然元のように話ができるようになる。
こんなことって、あるんだな、と。

物忘れや記憶力について、私はいつもこんな説明をします。
私たちは、学んだこと覚えてきたことを忘れてしまうことは決してない。
何かをすぐに記憶として引き出せなくなったときに
「物忘れがひどくなった」「記憶力が悪くなった」などと言うけれど、
本当は、身体の奥深くに仕舞い込んで、なかなか見つけ出せないだけなのだ。
よく使う言葉はすぐに言えるし、忘れることは無いけれど
普段使うことが少ない言葉はすぐに思い出せないことが多い。
それは、使わないうちに、どんどん身体の深いところ仕舞われていくから。

寝たきりになっていた親戚の言葉はどこを漂っていたのだろう?と思います。
自分では表情すら変えられず、身動きもとれなかった長い時間があったけれど、
周囲の話を聞き、いつも頭の中で言葉=思いは動いていたのだろうな、と。


私たちが普段何気なくつかっている言葉は、
実は私たちのものの考え方・とらえ方、すなわち価値観に基づいて選ばれています。
無意識のうちに、自分の思いが言葉になって表れています。

同じ意味の言葉でも、口にする人によって、印象も伝わり方も変わります。
それは、発言する人が何を大切に思っているか、どんな価値観をもっているかによって
言葉のつかい方が変わるからでしょう。
分かりやすく言えば、相手のことを思い遣って言葉を選ぶか、
自分主体で、自分を中心にして言葉を選ぶか、ということです。


心と身体が密接につながっていることを思えば、
この親戚の心は、長い沈黙の時間を経てもくじけることがなかった。
だからこそ、身体も言葉も復活したのだと思います。

親戚のその生命力の強さをたたえるとともに、
見守る多くの人々の強い支援の心がその人の心を支え続けてきたのだな、と思い、
励ましの言葉をかけ続けた家族をはじめとする周囲の人々をもたたえたいと思うのでした。


人間ってすごいです。

親戚のさらなる快復を心より祈っています。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝をこめて、
明日も素敵な出会いがありますように。
by smile_garden | 2011-08-16 22:15
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