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接遇とコミュニケーション

日差しが強くなってきましたね。5月といえども紫外線対策は欠かせません。
帽子等の紫外線予防に加えて、
食事でもビタミンCやポリフェノール等をたっぷり摂って紫外線対策しましょう!


少し前になりますが、
接遇マナーはコミュニケーションを阻害しているのではないか、
というような文章を目にしました。

私は決してそのようなことはないと思っています。
もし阻害するようなことがあるとしたら、
接遇マナーかコミュニケーションのどちらかが独りよがりの場合ではないでしょうか。


接遇マナーとは、相手を思いやる心のあらわし方のこと。
思いやりとは、相手が求めていることを想像すること。
そして、コミュニケーションとは、自分の意思や情報を相手に伝えること。

本当に相手を思いやる心があれば、
接遇マナーがコミュニケーションを阻害するなんて、有り得ないと思うのです。


接遇研修の際にこんな質問をいただくことがあります。
「丁寧な話し方をしていたら、患者さんに
『何を言ってるのか分からん!ごちゃごちゃ言ってないでさっさとしてくれ』
と怒られてしまいました。どのように対応すればいいでしょうか?」

このようなケース、実はよくあるご質問なのです。


私たちは、一人ずつ感じ方や価値観が違うため、
全ての人に同じ対応(接遇)をしていては、受け入れてもらえないことがあります。

接遇マナーには、敬語等の「形」がありますが、
私たちが人を相手にしている以上、
全ての人に同じ形の対応(接遇)をしていては、うまくいかないことがあっても当然なのです。


例えば敬語。
敬語を使うと、どうしても言い回しが長くなってしまい、
ご高齢の方などは、話の要旨が理解できなくなることが考えられます。
これが「何を言ってるのか分からん」の状態ですね。

このような場合、敬語よりももっと大切なことがあります。
それは、相手が理解しやすい、心地よく感じる言葉選びです。

丁寧な言葉でなくとも、相手が気持ちよいと感じる言葉をつかう。
すなわち、相手と同じような話し言葉をつかって会話するのです。

簡単に言ってしまえば、相手の話し方を真似することで
相手は「自分のことを理解してくれるようだ」「話しやすい人だ」と無意識のうちに安心を感じ、
話を続けることができる、というわけです。


時と場合によって、相手によっては、礼儀作法の形だけにとらわれず、
一人ひとり目の前にいる相手が一番喜ぶことを想像して行動する。
相手が心地よいと感じることを想像して話したり動いたりする。
それが思いやりであり、接遇マナーのあるべき姿ではないでしょうか。

敬語も大切だけど、もっと大切なのは「心」だと思います。


先のようなご質問には、
「そういう患者さんに対応するときは、患者さんのご要望に合わせて、
患者さんと同じような話し方で対応しても大丈夫」
のようにお答えしています。

「ただし、必ず笑顔で対応すること、最初と最後の挨拶は丁寧に。
周囲の患者さんが見ていることを忘れずに、思いやりの心を忘れずに」


礼節の形ばかりにとらわれてしまっては、
本当にコミュニケーションを阻害することになりかねません。

思いやりの心のあらわし方は千差万別。
形だけにとらわれない柔軟な発想も接遇マナーには必要ですよね。


今日もここを訪れてくれたあなたへ
感謝をこめて、
明日も素敵な笑顔に出会えますように。
by smile_garden | 2012-05-14 20:10
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